朗読を聴いて立つ風を感じる。

私はふりむきながら、彼女がそっと目がしらに指先をあてて、そこにそれをじっと置いているのを認めた。(堀辰雄「風立ちぬ」)
車で走っている時はポッドキャストを聞きます。通勤時間だと片道1時間。

以前はラジオを聞いていましたが、お気に入りの番組が終わってしまったので、その後しばらくは音楽を聞きながら通勤していました。寝ながら聞いていたポッドキャストだったのですが、音楽にも飽きてきたのでこれを通勤時間にも聞くようになりました。これだとラジオと違って自分にとって面白いと思う番組だけを聞くことができるのでストレスはたまりません。

今現在登録している番組は全部で31番組。結構多い。通勤時間内で聞ききれないので103個のエピソードが未聴になっています。聞けないエピソードが増えてきたらスマホの容量を圧迫するので古いものから削除してます。

誰も同じだと思いますが聞いたエピソードは自動的に削除するようにしています。けれど、一つだけ消えない設定にしてある番組があります。

それが何かというと、<新>日本名作文学朗読選(9)堀辰雄 横光利一 teabreak編 の「風立ちぬ」という番組です。ポッドキャストで配信はされていますが朗読の番組なので耳で本を読むといった感じになります。

これは2009年頃ダウンロードして繰り返し何度もも聴いています。女性の方の朗読で耳馴染みが良く聞き入ってしまいます。運転しながら聞き入りのは危険なのだけど、落ち着いた声が堀辰雄の流麗な言葉によく合っているような気がします。

「風立ちぬ」を知らない人はいないと思いますが、実際に読んだ人は少ないんじゃないかと思います。この作品は1936年から雑誌に掲載され、1938年に単行本として発売されました。情景描写がみずみずしくて読みながら情景が目に浮かびます。目で文字を追うより耳で聞く方がより大きな想像力が働くような気がします。

目の前に白樺の林と佇む病気ではかない若い女性の姿が浮かびあがります。

風立ちぬを聞きながら「いつかは自分でも朗読かPodcastをやれたらいいな」と思いながら思うだけで終わりそうだなと思う今日この頃です。

では。

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